2012年5月9日水曜日

米国連邦所得税解説


米国連邦所得税解説

このページは1996年分の申告をするために集めた資料で作りました。その後の変化は反映していませんのでご了承ください。一般的なビジネスマンを対象にしていますので、特殊なケースはカバーされていません。また、正確を期すために最善の努力をしましたが、なにぶん素人(電気エンジニアが本職)のことゆえ、間違いがあるかもしれません。 メールをおまちします。

申告すべき人
居住者と非居住者
課税される所得
合算申告と個別申告
項目別控除と標準控除
課税額の計算
税率表
リンク
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書籍

このサイトの記事を書いたのは1996年ころである。もう10年にもなるので細かいところでは変ったところもあるだろうが、基本的な考え方は大きくは変わらないと思っている。しかし最新の情報を確認したい人のために書籍を紹介することにした。
  • KPMG LLP著:新Q&Aアメリカの税金百科
    「米国駐在員の個人税務」という章があり、日本の住民税の控除、住宅を売却したとき、退職金の扱いなど18のトピックについて解説されている。
  • 大島 襄著:日本人・日本企業のためのアメリカ税金ハンドブック〈2006年版〉
    「国境を超える相続と贈与」の章があり遺産税(日本の相続税・贈与税に相当)についても詳しく書かれている。

申告すべき人

米国滞在が183日未満であれば連邦税申告の必要はないなどというふうに信じているむきもあるが必ずしも正しくない。たとえ非居住者と判定されても、米国の会社に勤務していた場合などは申告の義務がある。また、出張であれば申告の必要がないというのも誤解である。
居住者(Resident)全世界の所得に対して課税される。
非居住者(Non-resident)米国源泉の所得(米国の会社に勤務など)に対して課税される。
二重身分者
(Dual Status)
米国に赴任した年度、帰国した年度は居住者の期間と非居住者の期間との両方があることになる。この場合は、居住者の期間の全世界所得と、非居住期間の米国源泉所得が課税対象である。

まず、居住者非居住者の判定から始めよう。

居住者と非居住者

(1)まずその年に居住者となるかどうかを調べる

一年を通じて非居住者となるのは次のいずれかの場合である。それ以外は少なくとも一部期間は居住者となる。ただし、「一年を通じて非居住者」となっても必ずしも申告しなくてもよいということではないので注意。米国の会社に雇われて米国で働いてもらった給与は非居住者でも課税される。
  • その年の滞在日数が31日未満である
  • その年の滞在日数の全部と前年の滞在日数の1/3、前々年の滞在日数の1/6を加えたものが183日未満である
        (この2つをあわせてSubstantial Presence Testという)
  • その年の米国滞在日数が183日未満であり、かつその期間も日本で税金を納めており日本との関係の方が深かった(出張・観光であった)。本項は日米租税条約第3条の規定と関連している。

なお、滞在日数は物理的に米国(50州とワシントンのこと。グアムは除く)にいた日(24時間以内のトランジットと留学期間を除く)であり、到着日・出発日を含む。また、Fビザで留学している期間は滞在日数には入らない(ただし、留学生はたとえ収入がなくとも申告の義務はある)。

例)M氏は7月に7日間だけ米国に旅行し9月15日に赴任した。その前の2年間は米国に来たことがなかった。Substantial Presence Testが183日未満であるので非居住者。

例)N氏は3年間の赴任を終えて1月27日に帰国した。31日未満なので、その年は非居住者。ただし、米国での給与は課税される。

例外として、

  • 前年およびその年にSubstantial Presence Testでは居住者でなく、
  • 前年に居住者扱いを選択しなかった場合で、
  • かつ翌年にSubstantial Presence Testで居住者となる場合は、
  • その年に31日以上米国に連続して滞在し、
  • その滞在の開始日以降年末までの期間の75%以上 (不在期間の内5日を滞在として計算可)米国にいれば、
その滞在開始以降居住者として扱うこともできる。
(2)居住者となる日

居住者となるのは次の日である。
  • その年に居住者となる期間があり、前年に居住者である期間があれば、年初から居住者となる
  • 上記以外は米国に来た最初の日。ただし、赴任前の短期の滞在は通算10日間以内ならば何回でも除くことができる。
  • 年末に結婚していてかつ居住者であれば、合算申告をする(夫婦の一年間の全世界所得を申告する)ことを条件に、年初から居住者になれる(別項参照)。

例)X氏は5月に赴任したが、2月に2週間別件で米国に出張していたことがある。最初に来た2月14日以降居住者と見なされる。

例)Y氏は5月に赴任したが、1月に1週間の米国出張、3月に1週間の米国旅行をしていた。旅行に来た3月7日以降居住者となる。

上記2例はいずれも日本の居住者でもあるので、租税条約でどうなるか調査要。


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(3)居住者でなくなる日

  • 翌年居住者である期間があれば、年末まで居住者である。
  • 上記以外は米国にいた最後の日。ただし、米国赴任を終えてからの短期の滞在は通算10日間以内の滞在ならば何回でも除くことができる。

(4)Dual Status

居住者と非居住者の両方の期間がある場合はDual Statusといい、それぞれの期間に応じて課税される。ただし、年末に居住者であり結婚していれば、合算申告をすることにより通年居住者として扱われることもできる(標準控除が可能になる、低い税率が適用されるなどのメリットあり)。

課税される所得

(1)まず日本のビジネスマンの場合どういう所得に課税されるのかを簡単にまとめてみよう。

所得 居住者期間 非居住者期間
米国に赴任中の米国内の勤務に基づく給与 (日本国内で支払われる部分をふくむ) 総合課税総合課税
米国への出張期間の給与 総合課税次項参照
日本で仕事をしたことによる給与(日本への出張を含む) 総合課税非課税
日本での不動産所得・損失(家賃) 総合課税(注)非課税
日本の銀行などの利子・配当 総合課税非課税
米国の銀行預金の利子 総合課税非課税(注)
米国の会社の配当 総合課税分離課税15%
株式の売却益 総合課税非課税(注)
株式の売却損 総合課税申告不可
日本の不動産の売却益・売却損 総合課税非課税
日本で使われている特許権による収入 総合課税非課税

  • 総合課税というのは米国で申告しなければならないという意味である。
  • 非課税というのは米国では課税されないという意味である。
  • 給与所得は給与の支払い者の所在地ではなく、実際に仕事をした場所で判定される。したがって、非居住者期間に日本に出張した場合は出張中の仕事に基づく給与は米国では非課税となる。また、実際に働いたのが非居住者期間であっても給与を受け取ったのが居住者期間ならば、居住者としての所得となる。
  • 日本の持ち家をレンタルして収入があるが家賃が安いため利子や諸経費を控除すると赤字になるような場合、この赤字を他の所得から差し引くには制限がある。Form 8582 Passive Activity Loss Limitationsを参照。
  • 筆者が帰国した年の申告において担当会計士は米国銀行からの利子は帰国後であっても申告しなければならないと主張したが、筆者はIRSの資料を示して非課税であることを主張し、最終的に会計士がIRSに電話で確認して非課税が確認された。頼りない会計士もいるものだ。
  • 米国の会社からの配当は、非居住者の場合は源泉分離課税であるが日米租税条約により税率は15%に低減される。
  • 非居住者の株式売却益はその年に米国に183日以上滞在した場合のみ課税される。
    この項目について早川さんという方から以下のメールをいただきました。ありがとうございました。
    非居住者期間の連邦税のキャピタルゲイン課税について、注釈で、 「非居住者の株式売却益はその年に米国に183日以上滞在した場合のみ 課税される。」 とありますが、これは、Pub519 の The 30% Tax Sales or Exchanges of Capital Assets の 183 days rule のことを 言っているのだと思いますが、そこにも書いてあるように 30% (or lower treaty) ですので、ここのレートは、Pub901 の Table 1を参照すること になると思います。そこで、Japan の Capital Gains を見ると 0% です ので、結局、税金はかからないと私は解釈しています。
  • キャピタルゲインの計算では取得時の為替レートでドルで取得したものとみなされるのに注意。つまり、購入額と売却額が日本円では同じでも、円高でドル換算の価格が上がっていると課税対象となる。

(2)米国への出張の場合(日米租税条約の規定)

日本から米国に出張できているような場合は、一般的には日本での扱いは日本の居住者のままである。一方、米国では前に述べたように米国滞在日数が多ければ居住者とすると決められている。こうした場合は両国の居住者となるので、日米租税条約第3条ではその個人の保有する恒久的住居が存在する国または人的および経済的関係がもっとも密接な国の居住者とみなすと決められている。したがって、出張の場合は米国の居住者となることはないといえる。

しかし、同条約18条においては、その個人が日本の居住者(日本にある会社も含むものと思われる)の使用人であり、その年の米国滞在日数が183日以下で、かつ、その給与が米国の会社により報酬として負担されない場合は米国はその給与について課税を免除すると� ��められており、それ以外の場合は米国はその給与について租税を課すことができることになっている。したがって、長期にわたり米国に出張する場合には、米国の連邦税の申告が必要になる。この場合は米国の規定では居住者として申告することになる。


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例)L氏は米国のビザはもっていないが、ビザウェーバをつかって何度も米国に出張し、合計滞在日数が183日を超えた。日本では所得税を支払っているが米国の規定では居住者とされる。こうした場合日本でも居住者となるので、結果的に二重居住者となるが、日米租税条約第3条によると、こうした場合は日本の居住者とみなすことになっている。しかし、L氏の場合には米国滞在が183日を超えるため18条の規定により米国滞在中の給与に対する米国の連邦所得税は免除されないことになる。


合算申告と個別申告

米国の連邦税申告が難しいといわれるのは申告の選択肢が多いためで� �る。ここでまず、
  • 合算申告と個別申告
  • 標準控除と項目別控除
について概略を説明する。
合算申告(Joint Return)
夫婦の所得を合算して申告する。所得を平均する効果があり、累進課税のもとでは夫婦の所得に差があれば有利。
個別申告(Separate Return)
夫婦が個別に申告する。所得にあまり差がない夫婦が医療費控除をするときなどは有利か。
標準控除(Standard Deduction)
所得から一定額を控除できる。
項目別控除(Itemized Deduction)
所得から医療費、地方税、固定資産税、寄付金、住宅ローン金利などを実績に応じて控除する方法。
(1)一年を通じて居住者の場合

  合算申告 個別申告
標準控除
項目別控除

米国市民と同様にすべての形態の申告が可能であり、有利な方法を選択できる。配偶者が米国にまったく住んでいない場合でも、合算申告はできる。ただし合算申告すると夫婦の全世界の所得を申告する義務がある。

(2)一年を通じて非居住者の場合

  合算申告 個別申告
標準控除 不可不可
項目別控除 不可

(3)Dual Statusの場合

  合算申告 個別申告
標準控除 年末に居住者であれば可不可
項目別控除 年末に居住者であれば可

年末に本人が居住者であれば、合算申告が可能である。この場合は配偶者が米国にまったく住んでいない場合でも夫婦の全世界の一年間の所得を申告する必要がある。一方、個別申告すれば、すべての所得を申告する必要はなく、「課税される所得」の項目で書かれた所得のみを申告すればよい。


(4)合算申告をする単身赴任者の配偶者の所得の特例

配偶者が日本にいる場合でも本人が年末に米国の居住者であれば、合算申告ができる(既述)が、その場合は配偶者の全所得も合算して申告することになる。ただし、配偶者が、連続した12ヶ月の内330日以上日本にいたのならば、7万ドルまでの金額を給与収入から控除できる。

項目別控除と標準控除

(1)標準控除(Standard deduction)

独身者は$4,000、夫婦合算申告(配偶者が米国に住んでいる必要はない)の場合は$6,700、夫婦個別申告の場合は各々$3,350である。ただし、夫婦個別申告の場合で配偶者が項目別控除をするときは、標準控除はできない。二重身分者で夫婦合算申告をするときは、二人の全世界所得に課税されることに同意すれば、標準控除も可能である。
(2)項目別控除(Itemized deduction)

次のものが控除できる。
医療費(Medical and dental expences)
調整後総所得の7.5%を超える部分。医療費には眼鏡・コンタクトレンズも含まれる。
地方(州市)税(State and local tax)
所得に対して課税されるもの(つまり、消費税・ガソリン税・自動車検査料などは含まない)。還付があった場合は翌年の所得とみなす。
不動産税(Real estate tax)
固定資産税がこれに該当する。
自動車税(Personal property tax)
自動車その他の動産の価値に対して課税される部分。重量税はダメ。
その他の税(Other taxes)
外国に支払った所得税は連邦税の計算では控除できる。税額控除の道もある。
住宅ローン(Home mortage interest)
住宅ローンの金利相当分。
寄付金(Gifts to charity)
公認の団体への寄付。$250以上の時は金額と寄付である(見返りがない)ことの証明書が必要。
雑損(Casualty and theft loss)
一件$100以上の災害・盗難の被害で合計が調整後総所得の10%以上になるとき。
 項目別控除は全額が控除できるわけではない。次の計算の大きい方が控除できる。
  • 以上の合計の20%
  • 以上の合計から{調整後総所得−$117,950(夫婦個別申告の時は$58,975)}x3%を差し引いた金額。

(3)日本の住民税を項目別控除できるか

日本の住民税をこの項目で控除できるかどうかについては会計士によって見解が違うようである。控除できると書いている日本語の書籍もあるし、IRSともめごとを起こしたくないためか申告しない方針をとっている会計士もある。筆者の経験では、最初に渡米したときの会計会社は控除できないということで申告してくれなかったが、2度目に渡米したときの会社はこの項目で申告していた。

ちなみに、1995 1040 Instructionsには次のように書いてある。


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State and Local Income Taxes
Include on this line the state and local income taxes listed below:
  • State and local income taxes withheld from your salary during 1995. Your W-2 form(s) will show these amounts. Forms W-2G, 1099-R, and 1099-MISC may also show state and local income taxes withheld.
  • State and local income taxes paid in 1995 for a prior year, such as taxes paid with your 1994 state or local income tax return. Do not include penalties or interest.
  • ......

Real Estate Taxes
Include taxes (state, local and foreign) you paid on real estate you own that was not used for business, but only if the taxes are based on the assessed value of the property. ....

Other Taxes
If you had any deductible tax not listed on Line 5, 6, or 7, list the type and amount of tax. .... Include on this line income tax you paid to a foreign country or U.S. posession.


気をつけて読むと State and Local Income Taxes の項には foreign の文字がない。また、Other Taxes の項では外国の所得税のうち国税が含まれるのは明らかだが地方税は含まれないようにも見える。それでは外国税額控除するべきものかと思って 1996 Instructions for Form 1116 Foreign Tax Credit (Individual, Estate, Trust, or Nonresident Alien Individual) を読むと次のように書かれていて、申告できそうな気がするが、実際に申告書を書こうとすると外国税額控除はその年に米国に申告する所得に対して外国で二重に課税された場合に申告するものであるから住民税の場合には申告できないように思えてくる。結局 Other Taxes として申告するしかない。
Foreign Taxes for Which You May Take a Credit
You may take a credit for income, war profits, and excess profits taxes paid or accrued during the tax year to any foreign country or U.S. posession, or any political subdivision (e.g., city, state, or province), agancy, or instrumentality of the country or posession. This includes taxes paid or accrued in lieu of an income, war profits, or excess profits tax that is otherwise generally imposed. ...

(4)非居住者の制限

非居住期間のある人には、申告する形態に応じて控除に制約がもうけられている。合算申告できれば米国市民と同様にすべての控除が可能である。
項目 通年居住/合算申告 通年非居住 Dual status
Head of household 不可不可
標準控除 不可不可
項目別控除 医療費控除 不可 居住者期間のみ可
州税控除
固定資産税控除 不可 居住者期間のみ可
住宅ローン控除 不可 居住者期間のみ可
寄付控除
雑損控除 米国内資産についてのみ可 非居住期間については米国内資産についてのみ可
配偶者控除 配偶者に収入がなければ可 配偶者がその年のある時期米国に同居していれば可能であるが控除額は申告所得の全所得に対する割合に比例した額となる 居住者の場合と同様に居住期間の所得から控除できるが、控除結果がマイナスになってもそのマイナス分を非居住期間の所得から控除することはできない
扶養控除 その家族が一定期間アメリカ、カナダまたはメキシコの居住者であれば可能 その家族がその年のある時期米国に同居していれば可能であるが控除額は申告所得の全所得に対する割合に比例した額となる 居住者の場合と同様に居住期間の所得から控除できるが、控除結果がマイナスになってもそのマイナス分を非居住期間の所得から控除することはできない

非居住者の場合、国内に同居している配偶者と扶養家族の控除が可能であるのは 日米租税条約の規定による。

課税額の計算


次の順序で税額を計算する。Dual Statusの場合は居住者の期間の全所得と非居住者の期間の米国源泉所得の合計に対し税額を計算する。
(1)調整後総所得額(Adjusted Gross Income = AGI)の計算

所得には次のようなものが含まれる。米国滞在中の日本における収入も含まれる。夫婦合算申告の時は配偶者の収入も当然含まれる。
  • 給与(税込み額。日本で支払われている額も含まれる)
  • 利子所得(Interest income)(税込み額)
  • 配当所得(Dividend income)(税込み額、持株会の配当も含まれる)
  • 不動産所得(家を貸している場合など。固定資産税などかかった費用は控除できる)
  • キャピタルゲイン(株や家屋の値上がり益など)
  • 地方税の還付額(該当年に項目別控除をした場合)
次の項目は所得から控除できる。
  • 転職に伴う引っ越し費用
  • 離婚した元配偶者または別居した配偶者への支払額(養育費の場合は不可)

(2)所得控除(Deduction)

日本の給与所得控除のようなものはない(日本では給与所得者は優遇されているとも言える)。所得控除は人的控除と標準控除の合計、または、人的控除と項目別控除の合計(有利な方)である。
  • 人的控除(Exemption) --- 日本では基礎控除、配偶者控除、扶養控除に相当
 配偶者控除は合算申告の場合のみ。扶養控除の対象者は米国、メキシコ、カナダに住んでいなければならず、収入は$2,550以下でなければならない(自分の子の場合は19歳以下または学生ならば収入が多くてもよい)。控除額は一人当たり、$2,550(調整後総所得が$88,475以下の時)である。
  • 標準控除と項目別控除 ---(前述)

(3)税額の計算

調整後総所得から所得控除額を差し引くと課税対象所得(Taxable income)となる。これから税額を計算する。連邦税税率表は次項。
(4)税額控除(Credits)

  • 外国税額控除(Foreign tax credit)
外国で支払った所得税額を控除する。
米国で申告する所得に対して外国との二重課税を避けるのが目的であるから、当然のことであるが、米国に申告しない所得に対してなされた課税額を差し引くことはできない。日本にある預金の利息にかかった税金はここで控除できる。日本の住民税は前年または前々年の所得に課税されるものであるため(と思うが)ここでは控除できない。
  • 介護費用控除(Credit for Child and Dependent Care Expenses)
自分自身が仕事をするために必要であった、13歳以下(under age 13)の子供の保育費用および介護の必要な被扶養者の介護費用。

税率表(Tax rate schedule)


課税対象所得が$100,000以下の時は別にある表(Tax table)を使わなければならない。ただしこの計算と大差はない。

(計算例)単身者で課税対象所得が$50,000のとき、
    税額=($50,000-$24,000) x 28% + $3,600


(1)単身者(Single)

から  まで 税額(計算例参照)
$0 $24,000  15%
$24,000 $58,150  28% +$3,600.00
$58,150 $121,300  31% +$13,162.00
$121,300 $263,750  36% +$32,758.50
$263,750   39.6% +$84,020.50

(2)夫婦合算申告(Married filing jointly or Qualifying widow(er))

から  まで 税額(計算例参照)
$0 $40,100  15%
$40,100 $96,900  28% +$6,015.00
$96,900 $147,700  31% +$21,919.00
$147,700 $263,750  36% +$37,667.00
$263,750   39.6% +$79,445.00

(3)夫婦個別申告(Married filing separately)

から  まで 税額(計算例参照)
$0 $20,050  15%
$20,050 $48,450  28% +$3,007.50
$48,450 $73,850  31% +$10,959.50
$73,850 $131,875  36% +$18,833.50
$131,875   39.6% +$39,722.50

(4)子どものある世帯主(Head of household)

から  まで 税額(計算例参照)
$0 $32,150  15%
$32,150 $83,050  28% +$4,822.50
$83,050 $134,500  31% +$19,074.50
$134,500 $263,750  36% +$35,024.00
$263,750   39.6% +$81,554.00

リンク


日本語
JungleCity.com --プロに聞こう 米国の税金・保険などについて公認会計士が答えたFAQ集がある

アメリカの税金について 米国公認会計士 若菜雅幸さんのページ 非常に詳しい説明がある

2004年米国個人所得税 想定Q&A 日本人駐在員Q氏と会計士A氏の問での想定質疑応答の形式で説明

米国所得税の基礎知識 個人所得税の簡潔な説明

米国赴任中の不動産課税問題―日本の自宅の取り扱い 米国赴任中、日本で所有する自宅を賃貸をする場合、売却をする場合の課税対象について

土田さんのホームページ プロが解説する連邦所得税

有馬さんのホームページ やさしい連邦税の解説やリンク集

OCSニュース  「トピックス」の中に税金関係の解説あり(かなり詳しい)

96年分税額計算スプレッドシート 収入などを入力すると有利な方法で自動計算する(97年分以降は作っていません)

英語
財務省内国歳入庁(Internal Revenue Service)
申告用紙や出版物がダウンロードできるほかQ&Aもあり。また、ここからIRSに質問を送ることもできる。

おすすめは:

Pub 17Your Federal Income Tax (For Individuals)
Pub 519U.S. Tax Guide for Aliens
Form 1040 U.S. Individual Income Tax Return
Form 1040NR U.S. Nonresident Alien Income Tax Return

さらに詳しく知りたい人におすすめ:


Pub 514 Foreign Tax Credits for Individuals
Pub 901 U.S. Tax Treaties
Pub 527 Residential Rental Property (Including Rental of Vacation Homes)
Pub 925 Passive Activity and At-Risk Rules
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